SMOOTH RIDE

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HRC トライアルワークスマシン試乗会 2010年11月 茨城県真壁トライアルランド


◆フジガス号に再び試乗
実は3年前にもワークスマシン試乗会があり、その時にも参加させて頂いたので一度フジガス号に乗せて頂いた事がある。
今回も二輪車新聞の力添えでこの貴重な試乗会に参加させていただく事になった、本当に心から感謝である。
恥ずかしながら試乗会前夜はなかなか眠ることが出来なかった。
なにせ全世界の何万人と言うトライアルライダーが乗りたくても乗れないマシンに乗れるのだ、心が昂ぶらない訳が無いではないか。
久々のトライアルライディングと言う事もあり、布団の中でクラッチ、ブレーキ、スロットルなどの操作をイメージトレーニングしてしまう始末、まるで免許取得前の高校生の様な自分に笑ってしまった。


◆晴れオンナ田中佐奈恵の効能
試乗会当日の朝はかなり濃い霧が出ており、会場へ向かう車の運転も前が見えずかなり不安な状態。
それでもなんとか会場に到着、真壁トライアルランドには10年近く来ていないが全く変わっていない。
会場では早速ワークスマシン置き撮りのセッションが行われていたが、少しでも良い光をと数枚のレフ板が舞っていた。
しかし私にはわかっていた、この霧は自称業界ナンバーワン雨男のホンダ広報山中氏の力に違いないと。
だが同時に心配もしていなかった、なにせ今回の試乗会は快晴の本場!アメリカはウェストコースト仕込みの晴れオンナであるホンダ広報田中佐奈恵穣の仕切りなのだ。
やはり若いムスメのパワーは素晴らしく天候はみるみる回復しブリーフィングの時には写真の様な好天となった。
会場には大勢のジャーナリストが足を運んでおりまさに大盛況、その中には昨年惜しまれつつもMOTO GPより引退した中野真矢氏やかつての名モトクロスライダー増田耕二氏、そしてガルル誌でおなじみ小林直樹師範の姿も見える。
ホンダの方からは藤波貴久小川友幸本多元治の3選手が参加してくれて試乗会はとても華やかな雰囲気だ。
日ごろの感謝の気持ちを込めて彼らにTシャツを用意していった、突貫作成にもかかわらず快く承ってくれたTtplさんに感謝だ!
彼等による素晴らしいデモンストレーションを披露、さらに参加して頂いたジャーナリストの皆さんへのライディングレクチャーなど本当に良く動いてました、感心感心。
そんな彼らのサポートもあり自ら司会進行を務める田中佐奈恵穣のマイクパフォーマンスにも「グッ」と力が入る。
とにかく頑張ってましたよ田中穣。

◆RTL260F 2010モデル
さっそくHRC市販モデルRTL260Fに試乗させて頂く。
とにかく非常にマイルドなエンジン特性で、本当に角の無い丸くまろやかなフィーリングが好感触。
僕も色々な2ストロークのマシンに触れたり乗ってきたからこそ言えるが、この感触は4ストロークでないと絶対に出せないものでちゃんと4ストロークらしい「味」は随所で堪能出来る。
さらに260ccと言う排気量を良い形で”余裕”の特性に仕上げてある、その余裕はとにかく扱い易い方向に振ってあり乗り易い事この上無い。
その「余裕」はスムーズさに繋がっており、クラッチを繋いでもバイクが動くというよりは周りの景色がゆるりと動く。
そう、電車にのると窓の景色が動くような・・そんな感じだ。
クラッチはスパッと切れてジワリと繋がる理想的特性、前輪を上げないターン中心のトライアルでも対応出来る。
このマシンの特性でフィーリング的に力の無い感覚だ。
なので全開にしようと思えば出来るのだが、そこまで開けなくともそれ以前のトルクで全て事が足り過ぎる位なのだ。
この特性をもっと把握出来ればもの凄いアドバンテージになる。

PGM-FIのマップ切り替えも付いているが、僕は使うことも無く試乗を楽しませてもらった。
逆に言えば使う必要も無い位トータルバランスに優れたマシンなのだ。
普段ほとんどトライアルマシンに乗っていない僕さえスグに馴染む事が出来るのが良い証拠だ。
本当にそつなく仕上がっているが、そのそつなく仕上げると言うのは本当に大変な事だ。
このマシンなら本格的に乗り込んでMFJの大会などにチャレンジしてみたい、そんな気にさせてくれる素晴らしいマシンだ。

◆飛躍的に進化したダンロップD803トライアルタイヤ
市販RTL260Fにはダンロップタイヤが標準装着されている、はっきり言ってこのタイヤはいい。
以前のモデルD801はちょっとご勘弁をとお願いしたい位のタイヤだったが今回は違う、全く別物なので皆さんに是非使って下さいとお願いしたいタイヤに仕上がっている。
プロファイルを一新したこのD803はサイドウォールも変にぐにゃぐにゃしないし、いい意味でしっかりしている。
さらにグリップ抜群なので写真の様な下りでも途中で張り付くように止まれる。

グリップが良いので結果的にほんのちょっとの助走で加速出来るから面白い位に軽くピョンピョン飛べる。
常日頃からタイヤは第二のサスペンションだと僕は思っているが特にストロークの少ないトライアルマシンではその中で色々な事をこなさないといけないのでタイヤに求められる要求と影響は大きい。
どんなバイクにでも言える事だが、良い整備をしていてもタイヤがダメだったならば全て無駄になってしまうのは当然だ。
このタイヤ、今すぐにでもXR230やSL230にはかせてみたい、4ストロークの性格に合っていると僕は思う。
開発には今年全日本トライアルIASチャンピオンの小川友幸選手が相当な力を注いだようだ、納得の仕上がりである。







◆MONTESA COTA 4RT ワークスマシン

@取り扱い説明
試乗前にマップスイッチの説明を受ける、「乗れなくて恥ずかしい時はこの自爆スイッチを押して下さい」もちろんそんなスイッチなどあるわけがない(笑)
ワクワクドキドキはこの日の為にとっておいた。
さあ!世界一のトライアルマシンに乗れる悦楽の15分間のスタートだ。


@スタンディングバランス
トライアルライダーなら誰しも気になるスタンディングのしやすさ、僕の経験上このCOTA4RTが一番だ。
意図的に足を出してみたが、元々安定レベルが高次元なので関係ないようだ。
車体の軽量化は相当なものだが、ただ軽くすれば良いと言うものではなくその工程にも奥深いバランスの追求がなされているのが体感出来る。
写真には無いが僕でさえハンドル真っ直ぐスタンディングがやりやすかったのは感激!
開発責任者の荻谷さん素晴らしい仕事です。


@リヤホイール自由自在!
とにかくリヤ振りが簡単に出来る、振った着地後もバランスを崩すこと無くピタリと決まる。
スタンディングからクラッチをチョンと繋いでエンジンパワーを使った方法を試す。
これは手前から奥へ振る途中のシーン(右へ振っている)、リヤ周辺が軽いのでタイミングが合えばこの位リヤホイールはリフトする。
ライン修正の為にこの方法で岩をも超える事が可能なのがワークスマシンたる証だ。


@素晴らしいワークスサスペンション!
楽しい!!
リヤサスペンションの応答性が良い、つまり縮んで伸びる感覚がとてもわかりやすくジャックナイフのタイミングがとり易い。
リヤホイールを持ち上げたままの滞空時間を長く維持できる性能は素晴らしい。
さらに車体の軽さを生かしたワークスサスペンションは安定したバランスをライダーに提供してくれる。
リヤサスペンションは市販RTL260Fと全く違う形状、ピギーバックタイプのサスペンションユニットが装着されていた。



@体力を要求する
プロフェッショナル用なのでスキルと体力のあるライダー向けのマシンである事は間違い無い、なので短い試乗時間でもちゃんと休憩する。
転んで車体にキズでも付けてしまったら他の媒体様に迷惑をかけてしまうし、トライアルマシンをノンストップで15分間乗ったら間違いなくバテる。
休憩を兼ねてトライアル大好きなホンダ広報の高山氏とプチトライアル談義。
「ナベさんどう?俺のマシンはいいでしょう」と言っていた様な気が(笑)

このシーンはこうやって撮影されてます、楠堂さん写してくれて本当にありがとう。



@オーラを放つ車体
これがワークスマシンのエンジン、HONDAのロゴが入っている左カバーは砂型。
これは僕の気のせいかもしれないが、またがって上から見る限りワークスマシンは市販モデルのRTL260Fよりエンジンの全幅が狭い様な気がする。
でも実際に寸法を測った訳じゃないのでアクマでもぱっと見ただけの話。
インジェクションユニットも何か違う、それと通電性のよさそうなイグニッションコイルのステー、写真には写っていないがワンタッチで外せるクラッチホースのジョイントなど実戦で使い勝手の良い様々な創意工夫が詰まっている。



@総合的な感想
世界ナンバーワンのトライアルマシンであるCOTA 4RTに今回も乗せて頂けたのは本当にありがたい。
しなやかで意のままに動くサスペンションとスムーズでパワフルなエンジン、特にサスペンションは絶品でオン・オフ問わずモーターサイクルのサスペンションはこうあるべきだと言う答えを知ってしまった気がする。
またこういった企業の看板マシンを快く試乗させてくれるホンダの姿勢は本当に素晴らしい。

結論から書くとCOTA4RTは誰でも乗れる位乗り易い、もちろんスロットルをドカンと開けさえしなければの話だ。
実は今回コンディ100にも乗ることが出来た。
ウォーミングアップやトライアルマシンに慣れない皆さん用に準備してくれた、実に嬉しい配慮だ。
写真は藤波選手によるフロントアップのお手本、ヒザも完全に伸びきってなおかつブーツの底がしなる位の加重が凄い。
この理想的なフォームは出来そうで全然出来ません!
真壁トライアルランドへに行った事がある人はわかると思うが、枕木で出来た真直角の二段ステアがあるが藤波選手はコンディ100でびしびし登っていた。
教えを受けている生徒はレディスバイク誌編集部員のヤス子、彼女とはスクーターディズ誌の企画で一緒に釣り行ったりと行動を共にする事が多い。
趣味でトライアルをやっていて愛車はシェルコの125、ワークスCOTA4RTにもちゃんと乗れていた。
これも個人的な意見で申し訳ないがモトクロッサーのCRF150Rのエンジンをトライアル用に味付けして、RTL260Fの車体に載せるととても巣晴らしいマシンが出来るように思えてならない。
コンディ100の上のマシンが乗り易いとは言えRTL260Fだとさすがにちょっとギャップが大きいと思う、トライアル人気復活の為には4st125~150ccクラスのマシンが欲しい。
以前福山雅治のライブに行かせて頂いた時、彼がステージで言っていた言葉を思い出した「30代女性富裕層の風が僕に向かって吹いている!」当然場内は大爆笑の渦。
僕の周りにはその位の年齢層の女性が多い、いいマシンを買ってトライアルを楽しみつつライディングテクニックを向上させて大きなバイクのライディングにも役立てたいと。
扱い易いマシンが出ればこの女性達はさっさと購入してしまうだろう、それは間違いない。
HRCの皆様どうかよろしくお願いします。

写真提供:週刊二輪車新聞社(二次使用はご遠慮下さい)

Special Thanks(敬称略)
二輪車新聞社・Ttpl・HRC・本田技研工業 広報部