SMOOTH RIDE

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新年恒例走り初め 2008年1月3日勝浦MMP(ミツミネパーク)

◆山と土と、笑顔の人々

「うわ、なんだコレ!楽しい~」


オフロードライディングを愛する者がお正月早々から集うイベントが恒例となって早や5 年。
集うライダーのバックグラウンドはエンデューロ、トレッキング、モトクロス、そして集 まる車種はEDレーサー、モトクロッサー、はてはナンバーのついたトレール車両までが 分け隔てなく集まり、走り、そして笑顔になる。

今回は知人の粋な計らいもあり、普段エンデューロマシンをメインとして乗っている皆さんにキチンと整備された近代4ストロークトライアルマシンを体験して頂こう、と言う趣旨をご理解頂き2005年モデルのRTL250Fを2台お借りして参りました。

エンデューロライダーの中にはライテク上達の為にトライアルマシンを所有している方がいらっしゃいます。
これはとても良い事で、僕はライテク上達の為にトライアルマシンに乗るのは大賛成です。
しかしどうしてもセカンドバイク的な扱いゆえ、車体の整備が行き届いていないマシンがとても多いのが現状です。
例えばサスペンションがまともに動かない、ホイールベアリングがガタガタしていたりブレーキやクラッチのタッチがおかしかったりと全体的にくたびれているマシンがとても多いのです。
そういった状態のマシンで練習するのは大変危険で、それは我々の大敵である怪我に直結するのです。

トライアルマシンには独特の操作入力とマシンの挙動がダイレクトかつシンプルに現れるという特性があります。
ステップ荷重などの操作入力が適切であればはっきりと答えてくれます、しかしそうでない場合は軽いトライアルマシンと言えどもビクともしません。
これは、ライダーを甘やかさないというトライアルマシンなればこそ、でしょう。
そういった方こそ一年間・・いや半年でも良いのでその期間だけ集中してトライアルマシンに乗ることをオススメします。
今回僕が見た限りではオフロードライディングの基本中の基本、ステップを色々な角度に踏み込んでマシンコントロールする・・・それどころかステップに立つ事を良く理解されていない方が大勢見受けられました。
それでは「早速私もトライアルマシンを買って練習しましょう」と言っても、現在トライアルマシンは輸入車にしか頼れない現状と高価格な事もあり、コトはそう簡単に進みません。
日本は世界的な二輪車生産国です、藤波貴久と言うトライアルワールドチャンピオンまで生み出した国でもあります。
そんな国でさえ誰でもが普通に買えて公道を走れるトライアル車が販売されていないのは本当に悲しい事です。

トライアルマシン、という乗り物

「腕自慢達は、やはり只者ではなかった」
1台のRTL250Fはフルパワー仕様、そしてもう1台はサイレンサー出口を絞ったマイルド 仕様と、それぞれパワーフィールが異なるセットアップとなっていたため、乗るライダー によって試乗車をセレクトしていました。
トライアル経験者、またはエンデューロでの経験とスキルレベルが高いライダーにはなるべくフルパワー車両に乗ってもらうというアレンジです。

ただ、我々の予想をいい意味で裏切ってくれたのは、スキルフルなライダーは何らかの形 でトライアル車両に触れた経験があり、ファーストタッチこそ「おそるおそる」の気配は あったものの、マシンの挙動とパワーフィールを理解してしまうと、僅かな時間で様々な アクションを繰り出し、アクションの起こしやすさ、コントロール性の高さにあらためて 驚愕している様が伺えました。
また、最新マシンに触れた経験を持つライダーは予想に違わずほぼゼロであり、RTL250F のフィーリングにとまどい、そして慣れてゆくに従い「これは面白い!楽だ!」というコ メントが多く聞かれることとなりました。
また、経験の深いライダーであればあるほどRTL250Fがライダーに甘えを許さないマシン であることを看破し、ライダーの意図に鋭く反応する美点を得た代償として、マシン任せ では挙動が安定せず「すべてはライダーの責任である」という点を口にしていたことも特 筆すべき点なのかもしれません。

はじめてのトライアルマシン

◆笑顔の中心にある、真剣なまなざし
今回の試乗会で最も乗って欲しかった人々、それは初心者やトライアル未経験のライダー 達でした。
オフロードバイク特有のシート高に苦労し、ステップ荷重への意識をする以前にバイクに 振り回されてしまい、上達したくても何から学んで良いのかわからない。
オフロードを愛し、バイクも装備も手に入れているにも関わらず、上手に乗ることができないのは、悲劇 です。
そんな彼らにトライアルマシンに触れ、ステップに立ってマシンをコントロールするとい う基本を知識ではなく、体験として身体に残してもらおうというのが、今回の狙いのひとつでありました。
さすがに競技車両独特のレスポンスにはなかなか慣れてもらうことは出来なかったものの、 オフロードバイクはどのようにして動いているのかを、ごくごく端的に体験してもらうこ とは叶ったと思っています。
人間は不思議なもので、不安定な状態を本能的に嫌います。
RTL250Fに跨がり、アイドリング付近の回転のままとことこと走り、ターンを繰り返して いるうちに意識ではなく身体が本能的に安定する位置を探し始めます。そんな彼らにシン プルなアドバイスを送ると、その姿勢が安定することに気が付き、身体がどんどん学習し てゆくのです。
これは、ライダーを甘やかさないというトライアルマシン独特の「操作入力とマシンの挙 動」がダイレクトかつシンプルに現れるという特性なればこそ、でしょう。
一般的なオフロードバイクやEDレーサーはマシンがライダーを助ける部分があるため万人に乗りやす い反面、こうした関係を探ろうとすると人間とバイクの関係が曖昧になってしまう部分が あります。
そして、初心者はこうした部分に悩み、上達が遅れてしまうとも言えるでしょ う。

RTL250Fの挙動がトライアルマシンの範たるものであることが、彼らにとってどれほど助 けになったことでしょうか。
愛車でフロントアップを自由自在に繰り出すことの出来なかったライダーが、RTL250Fで は4速のままフロントを高々と上げ、着地もスムーズにこなしてしまいます。
ステップ荷重もリアブレーキの感覚も、みるみるうちに進化してゆきます。
「おもしろーい」
「なんで出来ちゃうんだろう?」
トライアルマシンでの練習が、自分の糧になっていることを無意識にでもうちに感じても らうという狙いは、どうやら成功していたようです。

そして試乗を終えると、多くのライダーはこう叫びました。

「これ、欲しい!」

編集後記

◆皆さんアンケートありがとう
「チョコレートはアンケートを書いた人だけですよ」

試乗してくれたライダー達の言葉を、色あせないうちに自身で書きしたためもらうべく現 地では簡単なアンケートを行わせて戴きました。
協力してくれたライダー達にも、感謝です。
その中でも気になったことだけをピックアップすると、やはり面白い、欲しいという意見が多かった事、そして全員が喜んでアンケートに答えてくれた事です。
そしてアンケートを取ることで様々な真実が浮かび上がってきました。

上級者と言えるようなEDライダー達の多くがトライアルマシンを所有した経験がある、 またはトライアルマシンに身近に触れる環境があった、ということです。
オフロードバイクのコントロールする基本はトライアルライディングにすべて含まれていると言うことは 出来ないでしょうか。
また、藤波貴久選手がmotoGPマシンであるRC211Vを試乗した際に残したコメントはオフロードバイクのみならずモーターサイクルという乗り物をコントロールする基本はトライアルにある、という象徴的なものだったでしょう。

曰く「motoGPマシンはトライアルと同じことを速いスピードでやっているだけ、でした。
タイムはね、速くはなかったでしょうけれど、乗ること自体には違和感はなかったですよ」と。

本物のトライアルマシンに触れたことで、試乗したライダー達に『トライアル』というも のが決してマイナーな競技ではなく、マシンコントロールの基本が詰まった、そしてコン トロールこそが全てであるという点をわかりやすく理解してもらえたのではないでしょうか。

マシンコントロールのエッセンスがトライアルに詰まっていることを知り、体験してもら うためには現在考えられる最新のマシンである必要があると考えました。
メンテナンスの行き届いていない車両や、快調であっても古い設計の車体では「トライアルに触れる」と いうコンセプトからは少し離れてしまいます。
それゆえに2台ものRTL250Fをお借りできたことに感謝です。

◆Licoセンセイ
「どこまでやっていいのぉ~☆」

今回はストラーダ界隈にお住まいの獣医師Licoセンセイにもノリでご参加頂きました。
Licoセンセイは特にバイクに乗る訳ではないのですが、ストラーダ界隈にある某国立大(ちばてつさんもここの卒業生です)の獣医学部のご出身と言う事もあり、学生の頃から良く知っているのです。
現在はウチの愛犬ラルのメインドクターでもあります。
いつも大変お世話になっておりますので、ストラーダ流の恩返しをさせて頂ければと思い、この日はRTLの前部座席?にお乗り頂き広い場内一周と、我々がいつもどうやってバイクと触れ合って投げ合って遊んでいるかを見て頂くべく、スペシャルな遊覧走行をご体験頂きました。
走り始めてスグ「フギャ~」とか言ってましたがジェットコースターの様なものなので、お楽しみ頂けた様です。
Licoセンセイに僕の誠意が伝わった様でホントウによかったです、ハイ。

獣医師さんと申しましても我々のケガの応急処置くらいはこなしてくれますので、イザという時には頼らせて頂こうと思っていました。
もっとも参加者の皆さんはケモノミチを好むケダモノが多いので獣医師さんはまさにぴったり・・・
一部の参加者からは「こんな美人獣医師さんなら、俺もケダモノになって介抱された~い♪」と言うフトドキな声もチラホラ(笑)

ちなみにLicoセンセイの好みは下の写真でベンチで寝ているスヌーピーの様な小動物、ケダモノはNGだそうですよ。
Licoセンセイは昼休みに上空を飛び回るトンビの大群に大感激しておりました。

【注意】ベンチで寝てる小動物にエサあげないでね、これ以上おなかが出ると・・・・

また来年!!